市販の化粧品は何を使っても肌に合わなかったり、添加物が不安な方も多いと思います。
そんな人におすすめなのがシンプルで悩みに合ったものが作れる「手作り化粧水」。
僕も有効な成分がしっかり入った自作の化粧水を使うようにしています。
そこでこの記事では、
- 手作り化粧水の効果、注意点
- 各材料の効果と特徴、推奨濃度
- 材料を買うのにおすすめの専用サイト
- 悩み別のおすすめ成分
を分かりやすく解説していこうと思います!
化粧水を手作りするメリット
手作り化粧水の良いところは、
- 欲しい成分だけ配合できる
- 成分の濃度が分かる
- コストパフォーマンスがいい
欲しい成分だけ配合できる、添加物フリー
市販品のように保存期間を長くしなくていいので、防腐剤など品質管理のための成分を入れなくてもよくなります。
自然にシンプルな化粧水になるので、肌に合わない可能性も低くなります。
合わなかったとしても原因が分かりやすい→その成分を除いた化粧水を作ることが出来ます!
成分の濃度が分かる、効果の高い化粧水が使える
市販の化粧水ではどの成分がどのくらいの濃度で入っているか分からないので、本当に効果があるのか分かりません。
特に美白成分などはある程度の濃度がないと効果がないので、悩みに合わせて確かな濃度が配合された化粧水を使うことができます。
逆にいうと濃度が高い→肌への影響も強いので、注意深く使わなければなりません…
コストパフォーマンスがいい、安い
広告費・余計な成分・流通による中継ぎがないので、長い目で見ればかなり安く、有効な成分が入った化粧水を使うことが出来ます。
自作化粧水の注意点!
相性の悪い成分に注意する
成分ごとに相性の悪い成分ってのがあります。
例えばビタミンE誘導体(抗酸化作用)でしたら、ビタミンC誘導体(美白作用)やグリシルグリシン(毛穴の引き締め)が相性の悪い成分です!
相性の悪い成分同士を合わせてしまうと、効果が薄れたりマイナスに働く可能性もありますのでご注意ください。(サイトで確認できます。)
また水溶性・脂溶性なども確認しておくと、「オイルと合わせたけど溶けない!」という失敗を防げます。
極端な配合はやめる、パッチテストを必ずする
「この成分は自分の悩みに効果があるから」と極端に多く配合するのはやめましょう。
どの成分にも適量があります。多く使うと逆に悪化させたり、他のトラブルを起こす場合も…
推奨濃度内の配合でも、使い始めは目立たないところに少量つけて使用感を確かめる「パッチテスト」を必ず行ってください。
市販の化粧品は、企業さんが厳重にテストをして多くの人に合いやすいように安全性が確認されています。
そんな市販の化粧品でも合う合わないは必ずあるもの。万人に合う化粧品はありません。
手作り化粧水は成分こそシンプルですが、市販の化粧水より各成分の濃度が高かったり、知識不足で組み合わせが悪かったりする場合があります。
推奨濃度内でなるべく低い濃度から試し、それぞれ使う前は必ず肌に合うかテストするようにしましょう。
清潔な容器で早めに使い切る
忘れがちなのが容器の清潔さ。
せっかくの手作り化粧水なのに雑菌が繁殖しては目も当てられません。
清潔な容器を使い、煮沸やアルコール等で殺菌して、よく乾かしてから使うようにします。
また防腐剤・保存剤を使っていない分、冷蔵庫で保管のうえ長くても2週間以内に使い切るようにしましょう。
原料・材料が買えるおすすめサイト
精製水やグリセリンなどはAmazon・楽天でちゃっと買えますが、その他の材料は専門サイトが便利です。
マンデイムーン(monday moon)
手作り化粧水の材料を買うのに、僕がよく使うサイトはマンデイムーンです。
成分の特徴・保存方法・保存期間・原産国・推奨濃度・相性の良し悪しまで書かれていて、おすすめレシピなどもあるので使いやすいサイトになっています。
送料もゆうパケットなら182円と安いのも魅力。一番商品が見やすい・使いやすいサイトだと思います。
基礎化粧品研究所
ラインナップは少なめですが、ビタミンC誘導体やセラミド、ヒアルロン酸などキャッチーなものは一通り買えます。
ただグリセリンなど基本的な保湿剤の取り扱いはありません。
よく使われる材料・成分とその効果・特徴まとめ!
市販の化粧品でもよく使われている有名な成分とその特徴をまとめていきます!
水・精製水
配管を通って塩素や金属イオンなどいろんな成分が溶け込んでいる水道水を使うのはNGです。
基本は化粧用に精製された精製水をベースに、有効成分をブレンドして手作り化粧水を作ります。
材料 | 効果 |
---|---|
精製水 | 殺菌剤の塩素や金属イオンを取り除いた純度の高い水、安全性が高い |
フローラルウォーター (ローズウォーターなど) | 精油を蒸留するときに採れる副産物、精油に合わせた効果も |
フローラルウォーターという、精油を蒸留するときに出来た水も使えます。
こちらは保存料が添加されている場合もあるので要チェックです。
オイル
少量を保湿に使ったり、オイルに溶ける成分をブレンドするときにはオイルをベースに使います。
基本的にスキンケアに使うオイルは抗酸化作用がありますので、その他の特徴によって選ぶ感じです。
材料 | 効果 |
---|---|
アルガンオイル | ビタミンEを含む。浸透に優れのびも良い。 |
ホホバオイル | ビタミンA・E・Dを含む。皮脂にも含まれるワックスエステルを含む。 |
マカダミアナッツオイル | パルミトレイン酸が含まれており肌柔軟性がある。 |
ローズヒップオイル | ビタミン類を豊富に含み、皮膚の老化の抑制の効果があるとされる。 |
アボカドオイル | ビタミン類を豊富に 含み、乾燥した肌を柔らかく。抗炎症作用も。伸びはよくない |
ニキビ肌で油脂が気になる方は、化学的な分類が「ロウ」であるホホバオイルがおすすめです。
皮脂中にもあるワックスエステルが主成分で、アクネ菌の餌にもなりません。
個人的にはアルガンオイル・ホホバオイル・マカダミアナッツオイルあたりが使いやすくておすすめです!
保湿剤
基本は低刺激でお求めやすいグリセリンでOKです。ニキビ肌でグリセリンは避けたい!という方は別のものを。
材料 | 効果 |
---|---|
グリセリン | 一番定番。安価で刺激も少なくしっとり質感。脂性肌の場合、ニキビが出来やすくなる可能性あり。高濃度すぎると逆に乾燥する。 推奨濃度:3~10% |
BG | 低刺激でさっぱり質感。 推奨濃度:2~5% |
プロパンジオール | さっぱりとしっとりの間の質感。グリセリンと併せると保湿効果アップ。 推奨濃度:2~5% |
ヒアルロン酸 | 保水性が良く、少量でも保湿効果が高い。とろみがつく。 推奨濃度:0.02~0.5%(原末) |
尿素 | 角質を取り除きターンオーバーを促す。逆に肌バリア機能を低下させる可能性も(敏感肌の方は注意)。 推奨濃度:~3% |
トレハロース | 刺激性もなく、優れた保水性があり、潤いを長く保つ。 推奨濃度:2~3% |
低分子加水分解コラーゲン | 肌への浸透率を高めたコラーゲン。内部からうるおいを保つ。直接コラーゲンになるみたいな保湿以上の効果はない。たんぱく質なのでアレルギーの可能性あり。 推奨濃度:0.2~2% |
ベタイン | 低刺激の保湿成分。浸透性がよく肌をしっとり・なめらかにしつつ、べたつきを抑える。とくに乾燥時の水分保持力が高い。 推奨濃度:1~7% |
プロテオグリカン | ヒアルロン酸以上の保湿力。残存水量が多いほど保水力が上がる。 推奨濃度:0.5~10% |
保湿力をプラスしてとろみをつけたいならヒアルロン酸、角質が気になるなら刺激を気にしながら尿素など、目的に応じて選びます。
美白成分
市販の化粧品では濃度が低くて効果が出にくいので、手作り化粧水のメリットが出やすいのが美白成分です。
ただ美白成分は刺激が強く乾燥しやすいものが多いので、使う場合はより慎重に。
あと濃度を高くしても効果が出はじめるまで最短でも1ヶ月はかかると思ってください!(といっても緩やかな効果です)
材料 | 効果 |
---|---|
APPS(アプレシエ) | ビタミンC誘導体。浸透力が高い。安定性が低く高濃度に向かない。 推奨濃度:1~2% |
APS(リン酸L-アスコルビルナトリウム)・APM(リン酸アスコルビルマグネシウム) | ビタミンC誘導体。即効性は高いが刺激性もそこそこ。乾燥しやすい。 推奨濃度:2~5%(ニキビに効果を期待する場合は5%) |
VC-IP(テトラヘキシルデカン酸アスコルビル) | ビタミンC誘導体。刺激性が低く保湿性が高い。水に溶けないのでオイルと合わせて使う。分解に時間がかかるため長時間効果が持続する。 推奨濃度:1~5% |
パルミチン酸アスコルビル | ビタミンC誘導体。安定性が悪く酸化されやすい。 非推奨。 |
α-アルブチン | 効果は弱め。メラニンの生成を抑制。すでに出来てしまったシミなどには効果なし。 推奨濃度:1~5% |
コウジ酸 | 効果は弱め。メラニンの生成を抑制。黄ぐすみにも効果。すでに出来てしまったシミなどには効果なし。 推奨濃度:0.1~1% |
アーチチョークエキス | メラニンの生成を抑制。毛穴の引き締め効果も。キク科アレルギーは一応注意。 推奨濃度:1~5% |
日焼けなどには還元性のあるビタミンC誘導体がおすすめです。特性を見て自分に合ったものを選びます。
逆にシミやそばかすを防ぐだけ=予防美白ならアルブチン、黄ぐすみが気になるならコウジ酸ですね。
効果が弱いものほど刺激も抑えめなので、必要最低限を配合するようにします。
その他、毛穴やエイジングケアにおすすめ成分
ハトムギエキスです
どれもおすすめの成分で、毛穴ならグリシルグリシン、整肌全般ならハトムギエキスは使いやすい成分になっています。
材料 | 効果 |
---|---|
グリシルグリシン | 肌のキメを整え、毛穴の開きを小さくする効果。 推奨濃度:1~2% |
ヨクイニンエキス(ハトムギエキス) | 保湿効果、抗炎症作用、ターンオーバーの改善効果がある。 推奨濃度:1~5% |
アスタキサンチン | 抗炎症効果・光老化対策(しわ・ハリ・弾力の予防と改善)・優秀な抗酸化作用。紫外線が気になる方。 推奨濃度:1~2% |
アスタキサンチンは抗酸化作用・光老化防止などエイジングケアに効果が高いので、20代後半~のスキンケアに特におすすめな成分です。
基本の手作り化粧水の作り方
- 清潔な容器をアルコール消毒し、よく乾かす
- 精製水を20g入れる
- グリセリンを1g(5%)入れてよく混ぜる
基本は精製水+グリセリンをベースにするのがシンプルで安く作れておすすめです。
細かい話をすると、1g/(20g+1g)×100=4.76%になって5%じゃないのですが、計算が複雑になるので基本は精製水に対する%でOKだと思います!(濃度が少し低くなる分にはリスクが上がらないので)
保湿力が足りない!という場合は8%まで上げてみてください。物足りなさを感じたら他に乳液や保湿クリームで保湿するのがおすすめです。
あと専用スプーンなども付いていたりしますが、必ず0.1gまで量れるデジタルスケールで軽量しましょう。
少量ずつ作るので、0.1g単位で濃度がかなり変わってきます。肌に付けるものなので正確にグラム数を量りましょう。
悩み別のおすすめ成分
毛穴が気になる!
全体的な毛穴の改善にはグリシルグリシンでターンオーバーを助けつつ、乾燥しないようにしっかり保湿してあげます。
毛穴の開きが気になる方はアーティチョークの引き締め効果を試すのも手です。
グリシルグリシンについて詳しくは「毛穴に!グリシルグリシンの化粧水を手作りしよう!作り方・効果をまとめるよ!」をどうぞ!
プラスして毛穴汚れを落とす習慣も大切なので詳しくは↓をご覧ください!
日焼け・シミ・そばかすを予防したい!
予防だけなら効果が弱め=刺激も弱めのアルブチンがお手軽です。
プラスして紫外線対策に、抗酸化作用があって光老化の対策にもなるアスタキサンチンを配合するのもおすすめ。
日焼け・シミ・そばかすを改善したい!
出来てしまったメラニンには、還元性のあるビタミンC誘導体が有効です。
ただし刺激が強めなのでかならずパッチテストをした上で、無理な利用は避けてくださいね。
ビタミンCには還元性があって、生成されたメラニンにも効果がありますが、あくまで効果が出ても少し薄くなる程度だと思ってください。
これはどの化粧品・医薬部外品でも同じこと。
完全にシミを消すなら皮膚科や美容外科でのレーザー治療がおすすめです。
ターンオーバーを改善したい!
ハトムギエキスはターンオーバーを改善する働きがあります。
またターンオーバーを促進する作用があるリノール酸やリノレン酸を含んだオイルを保湿に併用するのも効果的。
リノール酸やリノレン酸は酸化しやすいのですが、バランスよく抗酸化作用もあってリノール酸を含むアルガンオイルが使いやすいと思います!
角質を取り除く効果のある尿素を使われる方います。手作り化粧水を使っている方に人気の成分の1つですね。
ただし、尿素の吸湿性はそれほど高くないため、尿素の湿潤性や保湿性は、角質層を形成しているケラチンタンパク質の結合をゆるめて可溶性や膨潤性を高めているといわれています。
つまり、かんたんにいうと角質のケラチンタンパクを溶かして、角質を柔らかくし水分を含みやすい状態にすることで、柔軟性と保湿性が得られているということです。
こういった尿素の湿潤性および保湿性の原理が明らかになってからは、尿素を配合する保湿化粧品は年々減っているのが現状です。
引用:尿素とは…成分効果と毒性を解説 – 化粧品成分オンライン( https://cosmetic-ingredients.org/moisture/尿素の成分効果と毒性/ )
ただこのように尿素は刺激が強めでもあるので、使う時は肌と相談しながらですね。
個人的におすすめの使い方
手作り化粧水は確かにシンプルで、知識があれば添加物もなく安心して使える化粧水です。
でもシンプルだからこそ物足りなさも付きもの。
なので個人的におすすめの使い方というか、実際の僕の使い方なんですが、
- 目的な成分をしっかり配合した手作り化粧水を洗顔後・入浴後につける
- 市販のシンプルな化粧水をつける
- 足りない場合は乳液やクリームで保湿する
ビタミンC誘導体を配合しているので乾燥しやすいってのもあるのですが、手作り化粧水で全部を完結させようとしないのも手です。
素人知識でいろんな成分を入れちゃうのも考えもの。
手作り化粧水で目的に合わせた成分をしっかり補給し、その後刺激性の低いシンプルな化粧水なり乳液を併用するのがおすすめです。
もっと沼にはまると乳液やクリームも手作りでシンプルなものが作るのもいいですが、まとめると
- 成分の濃度がしっかり分かる・無駄なものが入っていない手作り化粧水はおすすめだけど
- 素人知識であまり複雑なものを作るのは、それはそれでおすすめしないので
- うまく市販品と併用するのが賢い使い方
だと思います!
再三になりますがパッチテストをちゃんとしたりと、材料の取り扱いには十分注意して、「安心」を求めて手作り化粧水を使うからこそ、ちゃんと知識もつけていきたいですね。